ふるさと直方フォーラム

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『産業に活力を』で直方に元気を取り戻すことができるか!? 基本政策を実施する施策の立案③-大塚市長の所信表明や抱負を公共政策の定石から考える(9)ー2019.11.15

大塚市長の3つ目の基本政策は『産業に活力を』です。最終目標―基本政策―施策の政策体系として示しますと、“直方に元気を取り戻したい”―『産業に活力を』― 直方市の市民所得を向上させるため産業を活力あるものとして稼ぐ力を磨く、となっています。

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この政策体系は、私の眼から見ると、前にも紹介した創生総合戦略が掲げる最終目標と4つの基本政策(最終目標である「将来にわたって活力ある日本社会を維持する」と「地方にしごとをつくり、安心して働けるようにする」、「地方への新しいひとの流れをつくる」、「若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる」及び「時代に合った地域をつくり、安心なくらしを守るとともに、 地域と地域を連携する」の4つの基本政策)ほど、率直に言ってスッと頭に入ってきませんが、市民一人ひとりにとっても直方市全体にとっても、経済的に成り立つことは極めて重要ですから、大塚市長のお気持ちは理解できますし、反対するということではありません。

 

さて、『産業に活力を』の狙いや意図について大塚市長は次のように述べています。

 私は、直方市の市民所得をいかに向上させるかが重要な政策の一つだと考えてす。産業が活力あるものとして、稼ぐ力を磨かなければなり ません。まず重要な事は、既存の一次産業であれ、二次産業であれ、生産性の向上、付加価値の向上を如何に図るかであります。先端技術や最新の設備の導入などを通じた生産性の向上、付加価値を高めるための技術の高度化を図るなど取り組む課題は多くあります。農業にあっては、ブランド化、あるいは六次産業化などを通じて、付加価値の向上を図らなければなりません。本市の産業連関分析からしますと、特に外貨を稼いでいるのは、やはり製造業であり、本市の産業の特徴でもあります。ここを一定強化しながら域内での経済循環をしっかりしたものとすることが肝要であると考えています。

次に、AI や様々な「モノ」がインターネットにつながる IoT 等の IT 先進技術を既存産業界に取り込むことを積極的に支援すると同時に、これら先進技術を担う企業誘致を積極的に展開していきます。こうした産業こそ若い世代が担う産業であり、所得の高い産業群でもあるからです。長期的にはモノづくりの技術を基盤としながらも新しい産業として生まれ変わらせていく必要があります。本市の産業構造そのものもそうした方向に向かわざるを得ないと考えています・・・

 

ここで、大塚市長が『産業に活力を』を力説するのは、市民所得を向上させるためであり、それを実現する手段として『産業に活力を』が提案されていることを確認しておきたいと思います。なぜなら、産業は元気になったが市民所得は少しも向上しないでは意味がないからです。

 

また、直方市の稼ぐ主役は製造業であり、それが直方市の産業の特徴であるからこれを強化して域内経済循環をしっかりしたものにすることに強い意欲を示しています。後に詳しく検討しますが、私は域内経済循環を確立することが直方を元気にするために決定的に重要と考えていますので、製造業に施策のエネルギーを注入することで域内経済循環を確立できるかに着目して十分に検討したいと思います。

 

そこで以下では、産業を活力あるものにして稼ぐ力を磨き、それにより市民所得を向上させるという狙い、および、製造業を含む産業を強化して域内経済循環をしっかりしたものにしたいという狙いについて、それら狙いはそれぞれ社会経済的見地から見たときに根拠を有する合理的なものであるか、また、製造業を強化することに施策のエネルギーを注入することで、果たして域内経済循環を確立できるか、そして、究極的に“直方に元気を取り戻したい”という最終目標の実現につながるか、考えます

 

 大塚市長が特に力を入れている施策であると思われますし、情緒的な主観や思いからでなく、客観的なデータを踏まえて十分に検討したいと思っていますので、5回以上の連載になる予定です。(つづく)