ふるさと直方フォーラム

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7 まとめ  「いこま市民パワー(ICP)」の設立と活動から学ぶこと  2024.3.22

 地域新電力を設立し、再エネをベースにした地産地消を確立して経済の地域内循環を実現したいと考えている立場からすると、「いこま市民パワー」の設立と活動から学ぶことはとても多いと思います。いこま市民パワーの設立と活動の経緯における大きな特徴とそこから学ぶことを箇条書きにすると以下のとおりです。

 イ 脱炭素と地域貢献を志向する市民グループが存在した。

 ロ その市民グループ生駒市の所有し管理する施設屋根の無償提供を受けて太陽光発電所を設置管理するに至った。

 ハ 市民グループは一般社団法人市民エネルギー生駒を組織するとともに、太陽光発電所設備を現物出資(?)していこま市民パワーの出資者になった。

 ニ いこま市民パワーの出資者として、生駒市(51%)を初め、地元である生駒商工会議所(6%)、大企業である大阪ガス(34%)および南都銀行(5%)が名を連ねており、「いこま市民パワー」は大きな信用を得てスタートできた。

 ホ 反面、出資金総額は1,500万円で大きな額ではなく、事業を遂行する意欲と能力はさほど大きいとは言えなかったかもしれない。そして、このことが影響していたのかもしれないが、4で述べたように、住民監査請求と住民訴訟が提起されるまでの活動に関する評価は微妙であった。

 ヘ 違法ないし不当な地方行政に対する監視の役割を果たしている住民監査請求と住民訴訟であるが、こと本件に関しては関係者の予測を超え、いこま市民パワーと生駒市の取組みに対する強力な推進ドライブとして機能する結果をもたらした。そして、

 ト 生駒市環境省の「第三次 脱炭素先行地域」に認定された。ICPは共同提案者として名を連ねており、今後、脱炭素先行地域事業実施の中核的な役割を担おうとしている。

 以上6つの特徴をさらにまとめて表現すると、脱炭素と地域貢献を志向する市民グループが存在し、その市民グループを中心にして、いこま市民パワーをしっかりした組織編制でスタートできた。そして、スタート当初はいこま市民パワーの活動は格別、華々しいものではなかったが、住民監査請求と住民訴訟を契機に、本格的な活動を展開するようになった、ということでしょうか。

 あるいは、生駒市環境省の「第三次 脱炭素先行地域」に認定され、ICPは共同提案者として名を連ねるとともに、脱炭素事業を遂行する中核的役割を担っていることを付け加えるべきかもしれません。

 他方、ロシアのウクライナ侵略や円安進行の影響で電力の市場調達価格が高騰したため、いこま市民パワーの2022年度決算は2328万円の損失を計上し、市の公共施設との電力需給契約を停止したという不測のマイナス事象も発生しています(参照、毎日新聞地方版 2023/9/13)。

 このような不測の事態は、今後も手を替え品を替え、いつ何時起こるかもしれません。また、再エネ電源開発であるとか市民や市内事業所と電気の需給契約を締結するなどの新電力事業はいこま市民パワーと生駒市にとって、経験のない領域であり今後も多くの困難を伴うであろうことも理解できます。

 しかし、地球全体の脱炭素と平和な世界の探求、そして地方の活性化と再生は、諦めることのできない永遠のテーマです。いこま市民パワーと生駒市は立ち上げの時から協力関係を築いてきましたし、これからもどちらかが絶対的なリーダーシップを持ってリードするというのではなく、試行錯誤しながらで十分ですから、手を携え助け合って地域の脱炭素と地域活性化の道を着実に力強く歩んでくれることを切望したいと思います。                   (おわり)

 ※ 事実誤認や誤解している点もあろうかと思います。ご意見などと併せ、お知らせください。きちんと対応させていただくつもりです。