ふるさと直方フォーラム

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大規模蓄電システム⑵ 関西電力の堺太陽光発電所 環境エナジータウン直方の政策選択メモ⑨ 2020.6.22

4 個々の環境エナジーについて一般人目線で政策選択に役立てたいメモ

  (1) リチウムイオン電池 

 イ 車載用リチウム電池

 ロ 家庭などに固定して利用する固定式リチウムイオン電池(前々回まで)

 ハ 大規模蓄電システム

    ㈠  国内最大規模109万個のリチウムイオン電池による蓄電池施設 (前回)

    ㈡ 関西電力堺太陽光発電所(2011年9月営業運転開始)   ( 今回)

 

  ㈡ 関西電力堺太陽光発電所(2011年9月営業運転開始)

前回紹介した福島県南相馬市東北電力変電所が、送配電の系統にリチウムイオン電池を組み込む実証実験を行ったのは2016年から行われていますが、それよりもさらに早い2011年9月、関西電力堺市との共同事業(堺市:普及啓発、関西電力:建設・運営)として、大阪湾に面したメガソーラー「堺太陽光発電所」(大阪府堺市西区)において、蓄電池を使った出力安定化を試みる営業運転を開始したと発表していました。 

発電所は大阪湾岸の約21ヘクタールの広大な大阪府有地に位置し、出力は10メガワット(1万キロワット)で、一般家庭約3,000世帯分の電力を賄える量ということです。シャープの薄膜型太陽電池モジュール約7.4万枚で構成されています。なお、平成20年(2008年)9月に平成20年度地域新エネルギー等導入促進対策費補助金の交付決定を受けています。

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営業運転を開始した関西電力堺太陽光発電所 写真を含むその他の情報について、参照日本経済新聞「国内最大メガソーラー、関電が全面稼働」2011/9/7付

上記、関西電力堺市との共同事業は、メガソーラーにおいて、2011年9月から蓄電池を使って出力安定化を試みつつ営業運転を開始していることに驚嘆するのですが、もう一つ、堺市という一自治体が太陽光発電の共同事業者として関与していることにも大いに注目したいと思います。なぜなら、ふるさと直方フォーラムが「環境エナジータウン直方」を提案するときに重視していることと重なる点が多いからです。 

堺市はHPで次のように述べています。 (https://www.city.sakai.lg.jp/kurashi/gomi/ondanka/machinakasolar/megasolar/index.html)

「環境モデル都市」である堺市では、将来にわたって「快適な暮らし」と「まちの賑わい」が持続する低炭素都市『クールシティ・堺』の実現に向けて、この堺太陽光発電所を、まち全体で太陽エネルギーを活用する「まちなかソーラー発電所」事業の重要施策と位置付けて推進してきました。

堺市では、今後も、堺太陽光発電所をフラッグシップ(旗艦)として太陽光発電設備等の導入促進に努め、「まちなかソーラー発電所」の拡大を図っていきます。 

なお、関西電力の研究目的は3つ挙げられていまして、メインは「蓄電池を用いた電力需給システム」を研究することです(正確には、「太陽光の大量導入に対応できる需給制御システムの研究」「需給制御用としての蓄電池の適正評価および寿命評価」、および「太陽光の規模に見合う蓄電池容量の評価」です)。 

さすが、プロとして、的確に問題意識を先取りしていると感じさせられます。と同時に、こうした研究からどのような成果が得られ、そしてその後、それら成果がどのような形で実践的な取組みに生かされているのだろうとの思いを強くします。おそらく研究成果はすでに完成しているのでしょうが、色んな思惑があるのか公表されている研究成果を確認することはできていません。将来、入手することができましたら、検討を加えて私の意見を添えて発表したいと思います。 

なお、この一月前の2011年8月、東京電力は「浮島太陽光発電所」(川崎市川崎区)で7MWのメガソーラーの運転を開始しています。また、2013年だと思われますが、経済産業省が示していた「大型蓄電池の変電所への世界初導入による再エネ受け入れ枠の拡大」という方針に従い、北海道電力は北海道内の変電所に296億円を投じて、合計60MWh程度の蓄電池を設置していたことも付記しておきます。