ふるさと直方フォーラム

《目標スローガン》 “人とモノとカネが往来し、循環する直方と筑豊を創ろう‼”  ふるさと直方と筑豊の再生に取組む主体をふるさと直方を愛するみんなで創ろう❣

リチウムイオン電池を使用する電気自動車(EV)の見通し⑷ 環境エナジータウン直方のための政策選択メモ ⑤ 2020.5.9

二 リチウムイオン電池を使用する電気自動車(EV)の見通し

では、上記で検討したようなEVの成長性を左右する要因があるとき、それらを受けてEVは現実にどのような展開を見せるでしょうか。自動車ショーの展示が予感させるもの、および政府の現状認識と目標を紹介しておきます。

 ⅰ ジュネーブ国際自動車ショーや東京モーターショーにおける展示が予感させるEV時代の到来

 

毎年恒例欧州最大のジュネーブ国際自動車ショーが2019年3月スイスジュネーブで開催されましたが、これまではパワフルな高級レーシングカーや、ガソリンを大量消費するスポーツ用多目的車(SUV)などの新モデルが発表されることが多かったが、2020年からのCO2排出削減目標が厳格化されたため、今回はメーカー各社こぞってEVの出展を充実させたそうです。

 そして、欧州カーオブザイヤーに輝いたのはジャガー初の電気自動車「Iペース(I-Pace)」に贈られています(「ジュネーブ自動車ショー、主役はEV 欧州排ガス規制厳格化を前に各社アピール」、AFP2019年3月6日)

 

また、2年に1度開かれる自動車の祭典、東京モーターショーでも市販予定のEVの展示に力を入れる日系メーカーが目立ち、日本市場にもEVが本格的に普及する時代の到来を予感させると報じられています(「日本市場にEVの時代到来か 東京モーターショー開幕」朝日新聞HP、2019年10月24日)。

 

ⅱ 政府が示しているEV普及の現状と2030年度の目標

では、わが国におけるEV普及の現状や将来の見通しはどうなっているでしょうか。国土交通省経済産業省は「EV/PHV普及の現状」(2019年3月)を公表しています。

 それによりますと、2017年度の新車販売台数(実績)は435万台ですが、そのうちEVは2.4万台で0.55%です(PHVは3.4万台で0.78%です)。そして、2030年度の目標はEVとPHVを一つにまとめていますが、全体の2~3割と20倍前後の目標になっています(図参照)。

 地球温暖化の現状と脱CO2対策について、トランプ政権などの逆方向の動きはありますが、世界の大勢は「電気」が次世代自動車のエネルギーの中心になると理解し、その方向に向けて行動していることは間違いなさそうです。

f:id:FurusatoDosouForum2015:20200509170513p:plain

国土交通省経済産業省 日本の次世代自動車の普及目標と現状(EV/PHV普及の現状について)