ふるさと直方フォーラム

《目標スローガン》 “人とモノとカネが往来し、循環する直方と筑豊を創ろう‼”  ふるさと直方と筑豊の再生に取組む主体をふるさと直方を愛するみんなで創ろう❣

環境エナジータウン直方の提案! 内発的外部交流型持続的発展モデル探求の結論としての直方のまちづくり将来像①  2020.4.3、5.16

 (前回の末尾で政策パッケージをお示しするとしていましたが、個別施策等に関する提案を4つほどですが先に済ませてからにします。個別施策等に関する提案は8月頃まで続く可能性があります。) 

〔提案趣旨〕

新型コロナウイルス感染が拡大を続け、外出自粛要請や政府の金融措置などでてんやわんやですが、こんなときにも・こんなときこそ、次世代30年後くらいを見据えた社会構想を描き深めておかなければ、結局のところ全体の流れに埋没してしまうと思います。

そこで、今日から10回くらいの連載予定で、ふるさと直方フォーラムは心底から万感の思いを込め、“環境エナジータウン直方”の提案をします。産業経済分野だけにとどまらず、直方が大きな「投資」をして目指す、未来志向のまちづくりビジョンの話です。

 

1 環境エナジーに着目します

(1)  ここでいう環境エナジーは、エネルギー源として「持続性」があって化石燃料原子力ではないものを指しています。たとえば次のようなものです

 ※ 化学や産業から見た専門的体系的なものではありません。後に生活体験などに即して詳しく説明します。なお、エナジーは普通には「エネルギー」という方が耳慣れているかもしれません。発音としては、エナジー(energy)は英語、エネルギー(energie)はドイツ語ですが、もちろん同じ意味です。

イ スマホや腕時計などに使用されている小型でも大容量の電気を充電することができ、充電・放電を繰り返しても劣化しにくいリチウムイオン電池

 

ロ 自家消費型太陽光発電システムにおいて太陽光パネルと組み合わせて使用される太陽光発電向けの家庭用蓄電池

 ※ 家庭用蓄電池には、太陽光発電と連携するタイプと連携せずに電力会社から買電した電気を蓄電する機能のみを有するタイプ(スタンドアローン)の2種類の方式があるということなので、ここでは太陽光発電と連携するタイプのものを指していることになる。なお、現在市場に流通している家庭用蓄電池の主流はリチウムイオン蓄電池が主流です。

 

ハ 再生可能エネルギーを産み出す代表格である太陽光発電システムにおける太陽光パネルとパワーコンディショナー

 ※ パワーコンディショナー(パワコン)は太陽光パネルで発電した電気を家で使ったり売電できるように変換・調節する電気機器

 

ニ 燃料電池車に装備される燃料電池や家庭用燃料電池エネファーム

 ※ 燃料「電池」というと、乾電池のような使いきりの電池を連想しやすいのですが、そうではありませんで、水素と空気中の酸素を化学反応させて電気をつくっています。より専門的に言うと、「燃料電池(Fuel Cell)」とは、水素を燃料にして空気中の酸素と電気化学反応させる際に生まれる電気エネルギーを使って発電する装置、などと説明されています。そして、燃料電池車はガソリンなどを燃料とするエンジンではなく、電気で動くモーターを使って走行します。家庭用燃料電池エネファーム」と併せて後に詳しく説明します。

 

ホ 太陽光パネルで発電された電気を利用して水を電気分解し水素を発生させる、水素の製造と水素貯蔵のための施設、および、再生可能エネルギー由来の水素を燃料電池車などに供給する水素ガスステーションその他の再生可能エネルギー由来の水素の供給に関連するサプライチェーンビジネス全般

 

 以上、イからホの「環境エナジー」を生産・供給する環境ビジネスをイメージ図として示したいと思ってネットでいろいろ探したのですが、いくらでもあるようで、なかなかピッタリするものが見つかりません。下図は、関西国際空港島内で燃料電池フォークリフト導入や水素供給施設などのインフラ整備を進める「水素グリッドプロジェクト」に関するもので、なんと早くも2014 年5月に発表されたものの一部です。リチウムイオン蓄電池は含まれていませんが、「環境エナジー」イメージ図としてはこれがもっとも近いので勝手ながら引用させていただきます。

 

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「水素グリッドプロジェクト」 関西国際空港島HPより

 

(2)  環境エナジータウンは、上記した環境エナジーを中心とする環境ビジネスの創生と展開に挑戦的に取り組む産業コミュニティを意味します。

 上の図は環境エナジーを取り扱う環境ビジネスが集積する場のイメージ図ですが、さらに、一般の人々が暮らしている地域を含む、環境エナジータウン直方のイメージを図で示すと下の図の感じです。

 

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水素と燃料電池(蓄電池のように電気を貯めておくのではなく、装置内で水素と酸素を化学反応させて電気を継続的に創り出す発電装置)を活用する社会に取組む豊田通商HPから

 

そして、環境エナジータウン直方と同じような視点から自治体等が企画・実施しているまちづくりの先行例を求めてネット閲覧すると、なんといっても「いわきバッテリーバレー構想」(下図参照)に関する情報提供が圧倒的に多く、次いで「やまなし水素・燃料電池バレー」です。

 

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「いわきバッテリーバレー構想」HPで示されているイメージ図と取組んでいる3つの施策

その他、水素や燃料電池のキーワードでグーグル検索をすると、「福島新エネ社会構想」、「山口県周南市における水素を活用したまちづくり」、「中山間地型水素社会の構築による 100%エネルギー自給自足のまち八百津プロジェクト」および「とやま水素エネルギービジョン」などがあります

 ※ 参照「とやま水素エネルギービジョン」資料編、平成30年3月27日http://www.pref.toyama.jp/cms_pfile/00019040/01326400.pdf))。また、再生可能エネルギーで検索すると、「室蘭グリーンエネルギータウン構想 - 室蘭市」「鳥取市スマートエネルギータウン構想」が見つかります。「北九州次世代エネルギーパーク-北九州市」も出てきます。ただし、これはまちづくり構想ではなく、「エネルギー施設を見学したり、エコタウンセンター別館内にある展示コーナーでエネルギーについて学んだりする」ための見学学習施設です。

 

さらに、「Suitaサスティナブル・スマートタウン(Suita SST)」のまちづくり構想もありますが、これは自治体ではなくパナソニック大阪府門真市)が大阪府吹田市で2020年春に着工、2022年春にまちびらきを予定する多世代居住型健康スマートタウンです。ただし、街区全体の消費電力を実質再生可能エネルギー100%で賄う、日本初の「再エネ100タウン」を目指すとしていて公共性の高いものです。

 

このように、それぞれの狙いと目標を込めたネーミングがされています。直方の場合も、取り組む環境エナジーの種類や重点の置き所などを総合考慮し、直方の地理的位置や伝統を含めて環境ビジネスとしての成立可能性なども踏まえ、若い感覚で発信力のあるネーミングを決めてもらえればと思います。(続く)