ふるさと直方フォーラム

《目標スローガン》 “人とモノとカネが往来し、循環する直方と筑豊を創ろう‼”  ふるさと直方と筑豊の再生に取組む主体をふるさと直方を愛するみんなで創ろう❣

目標を実現する基本政策や方針の決定②-大塚市長の所信表明や抱負を公共政策の定石から考える(4)ー2019.9.7、9.16、10.9

前回、「直方市に元気を取り戻したい」という目標と、それを政策として一段前に進めるために掲げられている『まちを豊かに』『人に夢を』『産業に活力を』の三つが、政策過程における体系としてスムーズに頭に入ってこないと述べました。しかし、抽象論を重ねるだけではなかなかイメージを深めることができないと思います。

 

ちなみに、人口減少と少子高齢化に直面する現在の自治体が『目標とそのための施策』を策定しようとするとき、もっとも参考になるのは、究極の目標として『まち・ひと・しごとの創生と好循環の確立』を目指している「まち・ひと・しごと創生総合戦略略」(平成 28 1222閣議決定。以下、創生総合戦略略という)でしょう。そこで、総合戦略を参照して大塚市長の真意を正しく反映できる基本政策と方針を考えることにしたいと思います。

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/sousei/meeting/honbukaigou/h29-12-22-shiryou1.pdf

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上の二つの図は、創生総合戦略が示している政策体系を、原典を必ずしも正確忠実に再現していませんが、一つは、目標(現状認識と課題も)、政策の狙いと意図、政策の企画・実行に当たっての5つの原則、および政策の企画・実行に当たって克服すべき5つの課題を、もう一つは目標(現状認識と課題も)、政策の狙いと意図、政策(の「基本目標」) 、および施策(政策とパッケージになっている)を示したものです。(二つの図はできれば一つの図として示したかったのですが、単にスペースの関係でそれができなかったので、二つに分けています)

 

これを見ると、目標に基づいて政策を確定するとき、「人口減少、東京一極集中」の現状認識、「人口減少と地域経済縮小の克服」という課題はもちろんのこと、「政策の狙いと意図」も次のようにしっかり確認されています。すなわち、「地方の「しごと」が「ひと」を呼び、「ひと」が「しごと」を 呼び込む好循環を確立し、地方への新たな人の流れを生み出すこと、その好循環を支える「まち」に活力を取り戻し、人々が安心して生活を営み、子供を産み育てられる社会環境をつくり出す」というものです。

 

このように、究極の目標である『まち・ひと・しごとの創生と好循環の確立』を設定するさい、現状認識と課題、政策の狙いと意図、政策の基本目標がしっかりと確認されています。そして、究極の目標に関係する政策要素がしっかりと把握され明示されていると、市長だけでなく担当する職員の間でも問題意識や目的意識を共有しやすくなり、最終的に施策が的確に実施されることにつながると期待できます

 

大塚市長の場合、「国や県をはじめ他都市との連携を基本に、『投資のないところに成長はない』との思いに立ち、民間投資の呼び込み、投資対象の選定、民間投資の誘発を念頭に施策の展開を考えるとの基本方針だけから、『まちを豊かに』『人に夢を』『産業に活力を』の三つ政策を導き出していますので、この点は極めて大きな違いです。そして、この違いが政策を適切に表現できていない理由になっているように思われます。

 

そこで、漠然とした提案になりますが、前に目標を設定するときに示した結論を現時点におけるスタートラインとし、そこから目標を実現する基本政策と方針を導き出して表現するというのはどうでしょうか。

 つまり、人口減少、財政危機、そして持続可能であることに十分留意し、福智山と遠賀川という自然環境に恵まれていること、そして福岡(博多)、北九州や筑豊筑後地区などを結ぶ交通の結節点に位置するという地理的環境にあることを直方の自己アイデンテティとして十分に認識し、これらをみんなの知恵と工夫で活かしていくことを基本政策と方針として表現するです(目標(Goal)の設定と現状認識、原因分析、課題の発見―公共政策の定石から見る大塚市長の所信表明や抱負(2)、2019.8.22)詳しくは後日、大塚市長の施策と事務・事業を紹介した後、検討します。