ふるさと直方フォーラム

《目標スローガン》 “人とモノとカネが往来し、循環する直方と筑豊を創ろう‼”  ふるさと直方と筑豊の再生に取組む主体をふるさと直方を愛するみんなで創ろう❣

大塚市長の所信表明と「市長の部屋」を訪問して はじめに 2019.8.16

関東から神戸の自宅に引き上げる作業などに手間取り、それを8月初めに完了してしばらくぶりに直方市のホームページに入り、大塚市長の所信表明に接した。また、「市長の部屋」も訪問し、「直方市に元気を取り戻したい」との抱負も読ませていただいた。4月の市長選挙から4ヶ月が過ぎようとしている今、選挙の興奮も一段落し、お盆を過ぎて来年度の予算編成作業などの実務に追われるのであろうが、所信表明や抱負を読んでの感想や希望を述べておきたい。動機はもちろん、未来につながる直方を創るためである。 

 

さて、所信表明や抱負の中身についてあれこれ言う前に、今日は大塚市長の所信表明や抱負が公共政策を進めるときの定石に従っていることを積極的に評価しておきたい。公共政策を進めるときの定石については次回詳しく述べるが、簡単に言うと、現状を認識して課題を発見しつつ目標(Goal)を設定する。つぎに、目標を実現する政策(Policy)や方針を明らかにする。そして、政策を実施する施策 (Program) を立案するとともに、事務・事業(Project)として施策を実施するという手順である。

 

そこで大塚市長の信表明であるが、「直方市の現状認識とそれらを踏まえた基本姿勢から申し上げ、次に目指したい直方市の目標と施策、そして市政運営にあたっての基本的考え方について述べさせていただきます。」という構成である。また、「市長の部屋」では、「まちを豊かに』『人に夢を』『産業に活力を』という3つの政策を柱に、市民と共にスピード感を持って直方市に元気を取り戻したいと思います」と述べている。

 

思い出すと、4年前、壬生前市長は自民や民主(当時)、公明各党の推薦を得るとともに河野前々市長の政策を継承するとして立候補し、他方で、公平公正で透明な政治を実現するなどと訴えていた。そして、教育、文化、企業誘致、農業、中央省庁との人事交流などの個別施策を展開した。

 

しかし、壬生氏の最終目標自体が明らかでないため、それとの関係における「政策」以降の「施策」や個別の「事業」の位置づけ、そして、施策や事業の実施により最終目標との関係でどのような成果を実現できたかなど、公共政策に関する定石を踏まえた議論ができず、単発で賛成と反対の主張をするのが精一杯になり、結局、外部からは全体像が分からず見えないままに4年間が過ぎてしまった気がする。

 

20世紀の終わり頃まで、政治家は選挙のときだけ、政策ではなく、「公約」を掲げ、当選後はそれが空手形に終わっても、政治家本人も国民もそんなもんだと少しも気にしなかった気がする。そんな時代と比べると、地方の小都市である直方市の政治と行政にも随分と変化の兆しがうかがえそうだし、望ましい方向への変化であり大いに期待したい。(続く)