ふるさと直方フォーラム

《目標スローガン》 “人とモノとカネが往来し、循環する直方と筑豊を創ろう‼”  ふるさと直方と筑豊の再生に取組む主体をふるさと直方を愛するみんなで創ろう❣

市政運営の基本的考え方・・・共感・共働・共創を基本として市民と一緒に取り組みます  公共政策の定石から見る大塚市長の所信表明や抱負(18) 2019.12.28

 

f:id:FurusatoDosouForum2015:20191228195501p:plain

誰が策定するか(主体)、住民・市民・NPO等の関与(Public Involvement)をどうするか

1 大塚市長の市政運営の基本的考え方は「共感・共働・共創」を基本として市民と一緒に取り組むというものです。そして、市行政が公務サービスの提供の面を有することに着目して、顧客である市民の満足度の向上に向け努力するということですから、理由付けも立派ですし、尊敬するだけで終わってしまいそうです。とにかく直方に元気を取り戻したいという最終目標と併せ、この市政運営の基本的考え方を強く支持したいと思います。

ですから、これまで述べてきたこと、これから述べることに、大塚市長の所信表明や抱負に疑問を呈したり批判することがあった・あるとしても、それは最終目標と市政運営の基本的考え方という大きな枠組みに賛同したうえで、それが上手く進行して最終目標が見事、達成されることを願っての、方法論レベルでの建設的な提案だと受止めていただければと思います。そういう前提で、いくつかコメントします。

 

2 大塚市長の市政運営の基本的考え方の大きな特徴を再確認すると、「共感・共働・共創」、国や県との連携はもちろん近隣自治体との連携、そして、中間の管理監督者層を重視する組織運営をすることです。

(1)「共感・共働・共創」をこれほど明確に、しかも前面に打ち出している首長はそんなに多くないと思います。そして、直方市民の皆さんがいろんな立場から、元気な直方つくりのために献身的に頑張っておられるようで、最近特にそうした方たちの活動を取り上げる新聞やネットの情報を頻繁に見かけることが多くなったように感じています

   チューリップ祭りに関わってこられたボランティアの方たちや協賛してくださっている地元企業や団体。夏の『直活祭(ノオカツサイ)』や12月に須崎町公園で開催されている『餅つき大会』で有名な直活会、遠賀川河川敷で開催された「お月見ヨガ」であるとか「おはようサイクリング」♪のおがた星空バル』を主催しているのおがたわくわく実行委員会は言うまでもありません。

   他にも、源氏物語へのお誘い」ほか多様なイベントを主催している直方を熱くする会てであるとか、「千人茶会」や「陵江会展」を盛大に実行された方たち、直方駅舎の保存に奮闘された直方の文化を考える会のみなさん、直方ちょっくらラジオに関わる方たち、さらに、河川環境保全のために頑張っているNPO法人直方川づくりの会、平成筑豊鉄道を元気にする会、など、直方への熱い思いがひしひしと感じられます。

   直方を明るく元気にするために、他人ごとではない自分ごととして献身される方たちの活動と成果を市行政に積極的に取り込みながら、もっとも賢明な方法で「共感・共働・共創」を実践していただけたらと思います。きっと中央省庁との人事交流や職員の省庁派遣からでは得られない懸命さが市政に反映されると思いますし、そうしたことの積み重ねが公務サービスの改善と顧客である市民の満足度の向上につながると信じます。

 

(2) 近隣自治体との連携も是非積極的に進めていただきたいと思います。直方市が真剣に地方創生に取り組もうとするとき、国の法律などによる制約があってなかなか思うような活動を展開できないことがあるでしょう。そんなとき一自治体の力だけではなかなか改善要望の声が中央に届かないでしょうから、立場と境遇を同じくする自治体と連携して取り組み、効果をあげてほしいと思います。

   上記は自治体が市町村レベルで連携して県に働きかけ、さらに国を動かしていく場合をイメージしていますから、大塚市長が言われる「財源も含め限られた地域経営資源の中で、行政サービスの最大化を図る」ために国や県と連携するというのとはやや異なるかもしれません。

  しかし、一自治体としてしっかり“自立”していくためにも、立場と境遇を同じくする自治体と連携して声を大きくする必要性は同じだと思います。また、同じような立場と境遇でありながら、ピンチをチャンスに変えることにチャレンジしている自治体にこそ、本省庁への人事交流や職員派遣よりも学ぶべきことが多いというのが現代の実相かもしれません。

 

(3) 「共感・共働・共創」の精神を掲げていますが、現実に日々、首長を支え、首長の手足となって行動できるのは補助機関である市の職員ですから、職員がもっている潜在能力を最大限発揮してもらうことはきわめて重要です。ですから、トップダウンでもなく、ボトムアップでもなくミドルアップ・アンド・ダウンといった中間の管理監督者層の役割」を重視して「活力ある組織」を創造したいと述べておられるところに大塚市長の本気度を感じます。

   その反面、「財政の脆弱な直方市財政の健全化を目指す観点から、行財政改革を推進します」と言われていることには、率直に言ってあまり覚悟と迫力を感じることができません。直方市の人口が減少傾向にあること、それにより財政歳入がいっそう先細りしていくことを現実にどう受止め、克服していくか、大変大きな課題ですが、いっそうの取り組みをお願いしたいと思います。(続く)