ふるさと直方フォーラム

《目標スローガン》 “人とモノとカネが往来し、循環する直方と筑豊を創ろう‼”  ふるさと直方と筑豊の再生に取組む主体をふるさと直方を愛するみんなで創ろう❣

目標(Goal)の設定と現状認識、原因分析、課題の発見 ―大塚市長の所信表明や抱負を公共政策の定石から考える(2)ー2019.8.23、9.16

f:id:FurusatoDosouForum2015:20190823131134p:plain1. 目標は素晴らしいの一言に尽きます。また、『このまちに生まれて良かった、住んで良かった、住み続けたいと云われるまちを、市民と共に創っていきたい』は『直方市に元気を取り戻したい』と表現は異なっていますが、同じ一人の人間の中にある『直方を愛する』気持ちを、角度を変え別の言い方で分かりやすく表わしているだけで究極の中身は同じかと思います

 また、目標を生み出す動機のようなものですから、目標そのものではなく小さいポイントでカッコ書きにして示していますが、(今を生きる私たちは、次代に誇れる直方を創り、しっかりと引き継がなければなりません)も、シニアな立場にいる者の覚悟として大変素晴らしいと思います。

 まったく異議はなく、こんな人が新しい市長になってくれたことがとても嬉しく感じられます。よく、「来た時よりも美しく」(Make it more beautiful than when we came.)と言いますが、小中高の間ずっと、そして大学生や社会人になってからも帰省するたび、元気をくれた“直方”を、私たちシニア世代は若い世代に干からびて渡すのではなく、「来た時よりも美しく」の精神でバトンタッチしたいものです!! 

 

2. しかし、直方市に元気を取り戻したいという目標が生まれる基礎・基盤を構成している大塚市長の判断には、以下の通り若干の疑問を感じます。

 イ 上記した図「現状認識と原因の分析、課題の発見」の1)で、この4年間、財政問題などを理由に様々な事業が見直され、機会の損失をもたらしたというのは、なかなか公式には確認できませんがそうした傾向はあったように感じています。

 私たちが提案している“道の駅” 構想が検討された様子はありませんし、たとえば、勘六橋の付け替え工事はようやく完了したようですが、私は二中に通学する頃から、勘六橋西・新町から門前町・百合野方面への道を通っていましたから、道幅が狭くいつも危険を感じていました。そのため安全対策に主眼を置いた道路拡幅工事をしてほしいなとずっと思っていたのですが、それも壬生市長の判断で止まっていると聞いたことがあります。

 

 ロ  上記した図の2)で、直方市が地域の活力を取り戻していくためには、「唯一、国・県はもとより民間の活力などを如何に呼び込んでいくかです」「国や県の制度の中でしか生きてはいけません」というのは、今日、過去の遺物になっているはずの20世紀型中央集権と高度成長時代の発想にとらわれすぎのように思います。

 内閣府の地方創生担当室であればいくぶん雰囲気も変わってきているのでしょうが、多くは縦割り行政と機関委任事務時代からの発想を払拭できないでいる国や県が、一つ一つの自治体の事情に合わせて親身になって考え応援してくれるなんてことがありえないことは、皆さん、経験から十分に分かっておられるはずです。

 

 今日求められている地方創生の基本は、自立しようとする地方がその個性をしっかりと自覚し、独自性を生かす道をまずは自力で探り出し、そうした作業の結果として、自治体としての目標、目標を実現するための政策および実施する施策や事業という政策プロセスをはっきりと提示することだと思われるのです。政府の地方創生施策は頑張る自治体を支援するというだけであり、他力本願で依存してくる自治体を応援するなどは予定されていません。

 

 たしかに、「直方市は絶海の孤島ではなく他都市との関係性の中でしか存立しません」というのはその通りだと思います。しかし、他都市との関係性をマイナス(負)要因として認識し、他都市に依存し助けてもらおうというようなことでは、「次代に誇れる直方を創る」ことなどけしてできないと思います。

 そうではなく、交通の結節点にあるという直方市の特性を十分正しく認識し、それを成長し発展するためのプラス要因として活かしていくことこそ、未来に向けた道であると信じています。

 

 ハ  上記した図の3)のまちづくりの方向性とサンリブなど事業者の経営判断への影響は、きっとそうだと同感です。一方、西鉄バスセンター跡地を保健福祉センター事業として活用することや筑豊電鉄の延伸については、視野を広げたまちづくりと社会環境の変化を踏まえ、現在の社会環境においてはどうするのがベストか、もう一度考え直してみたいと思っています。

 

3 一方、大塚市長が所信表明や抱負で明確に押さえていないことに言及します。

 

当フォーラムはかねてより、直方市がこれからの政策形成や政策選択を考えるときに避けることのできない大きな前提要因として、高齢化と若者の流出による人口減少と財政危機の二つがあることを繰り返し指摘しています。また、高度経済成長の夢は終わっているし再現を期待できないこと、そして地球規模で温暖化が急速に進行して異常気象が頻発していることを念頭に、中央政府だけでなくすべての個人と自治体も、政策要因として「持続可能」であることをけして無視できないと考えています

 

ですから、結論は、人口減少、財政危機、そして持続可能であることに十分留意し、福智山と遠賀川という自然環境に恵まれていること、そして福岡(博多)、北九州や筑豊筑後地区などを結ぶ交通の結節点に位置するという地理的環境にあることを直方の自己アイデンテティとして十分に認識し、これらをみんなの知恵と工夫で活かしていくような政策プロセスを提示したいということになります。

 

以上、直方に元気を取り戻したいという目標には賛成ですが、目標が生まれる基礎というか基盤を構成している大塚市長の判断には若干の疑問を感じていることを述べました。この「賛成と疑問」が今後どのように展開していくか、長くなりましたので今日はここまでにし、次回以降、目標を実現するための基本政策や方針、基本政策を実施する施策や事務・事業という政策プロセスに関する議論の中で、議論を深めていきたいと思います。