さて、直方市の人口減少・少子高齢化と将来に向けた公共政策を考えようとするときに確認しておかなければならないことは、次の3つです。
イ. 直方市の人口減少と少子高齢化は将来どのようなものになるか、
ロ.この人口減少と少子高齢化によりどんな影響が出るか、
そして(影響がきわめて大きく致命的な結果さえ招きかねないものであることを認識した後は)、
ハ.直方が将来も直方市として存続するために対策として何をなすべきか、人口減少のより詳しい状況と原因を踏まえ、人口減少対策のあり方を知恵を出し合って考えることです。
今日は、このうちイについて議論します。
イ. 直方市の人口減少と少子高齢化は将来どうなるか、長期予測を公表してみんなで考えよう。
日本の人口動向の特徴は、「高齢化が進行しており、平均寿命のさらなる延伸が続いていること、少子化の流れが止まらず、子どもの数の減少が続いていること、両方の要因から生産年齢人口が減少している」ことです。
先ほど、「将来の人口が減少傾向にあることは確実」と述べましたが、その根拠は「出生や死亡の傾向は通常は急激には変化しないので、過去の傾向の分析によって、かなり正確に将来の推計も可能となる」からです。したがって、たとえば、現時点で直方市の0歳から20歳の女性人口を確認すれば、他に1人の女性が生涯に産む子どもの数を示す合計特殊出生率や他地域との転出入割合は急変しないと思われ、その結果、20年後の人口もかなりの精度で推計できることになります。
ちなみに、厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所は「過去からの膨大なデータをもとに詳細な将来推計を行っている」そうですが、2017年4月、2065年までの日本の将来推計人口を公表しています(下図参照)。
現在、直方市は、年齢別、男女別、大字別(行政区別)に人口統計を公表しています。この統計数字はもちろん重要です。ただ、それに加え、国立社会保障・人口問題研究所は2065年までの日本の将来推計人口を公表していますから、おそらく直方市の将来推計人口もその基礎資料として公表されていると思います。直方市の分が公表されていない場合を含め、合計特殊出生率や他地域との転出入割合等に関する直方市独自の事情や情報を加味して2065年までの直方市の将来推計人口を算出し、市の行政運営全般に活用するとともに、市のHPで分析結果も付けて公表してほしいと思います。