ふるさと直方フォーラム

《目標スローガン》 “人とモノとカネが往来し、循環する直方と筑豊を創ろう‼”  ふるさと直方と筑豊の再生に取組む主体をふるさと直方を愛するみんなで創ろう❣

水素を燃料に走る燃料電池自動車の購入に対し、直方市独自の補助制度をスタートさせよう❕   水素自動車に対する毎年の自動車税減免も実現して水素自動車普及を促進し、筑豊ナンバー車の環境イメージをアップしよう❕ 2015.5.9

NHKのHP(2015.04月17日)で、北九州市のタクシー会社「第一交通産業」が水素を燃料に走る燃料電池自動車(水素自動車、FCV)のタクシーをこの春、全国で初めて導入し、先日、試乗会を開いたというニュースが報じられています。

 

FCVは水素を燃やし(酸化させて)走るため、走った後に出てくるのは水だけで「究極のエコカー」と呼ばれていますが、同社の担当課長は「排気ガスを出さないという環境面での利点から導入を決めた。5年ほどかけてコストや耐久性、乗り心地などを調査したい」と話しています。そして、当面は、北九州の先進的な環境技術を視察に来た人の案内や観光用として活用するほか、予約がない時は一般のタクシーとして走らせることにしているそうです。

※ 北九州市はかねてより環境首都を目指すと公言していて、「水素利用社会システム構築実証事業」の一環で水素タウンを整備しています。そして、製鉄所で生ずる副生水素をパイプラインで近傍に供給し、水素ステーションからの水素供給や、純水素型の燃料電池などを用いた電力供給を行っているそうです(以下、経済産業省HP参照)。また大規模洋上風力発電の誘致を目指しており、環境省風力発電を推進するため全国の自治体に公募していた環境調査などのモデル地域に選ばれたとの報道もあります(2015.5.8)。このタクシー会社の取組みは、同市の環境に対する姿勢全般に通じる挑戦かもしれませんが、北九州市の全体としてのエコなイメージを高めることにも貢献するでしょう。

 

さて、ふるさと直方同窓フォーラムはすでに道の駅構想を発表し、その一つとして、電気自動車に充電できる充電設備や水素自動車に燃料となる水素を供給できる水素ステーションを誘致して開設し、エコ時代を先取りする取組みを提案しています。

 

しかし、せっかく高い費用をかけて水素ステーションを開設しても、水素を燃料に走る水素自動車が普及しなければ、水素ステーションは宝の持ち腐れになってしまいます。世間では一般に、水素ステーションがなければ水素自動車は普及しない(≒水素ステーションがあれば水素自動車は普及する)との前提で話をしています。その前提で、政府は2015年度内に100カ所程度に増やす目標を掲げ、補助金や規制見直しによる後押しを進めています。

 ※ 「供給がなければ用途が広がらず、また需要がなければ供給システムについても検討されない」といったことでは、水素エネルギーの利活用は本格化しないので、水素の製造関係者、貯蔵・輸送関係者、利用関係者の三者三すくみの状況を同時に打破していかなければなりません。

 通常のガソリンスタンドであれば設置は1億円程度で済むが、水素ステーションの建設は4億円前後かかると言われています。政府は2015年にはガソリン燃料と同等以下の水素価格の実現を目指すとしていますが、採算がとれるくらいにまで水素ステーションの整備・運営価格が下がるのは2020年頃、ハイブリッド車などと競争できるくらいにまで水素自動車の価格が下がるのは2025年頃だとしています。

 なお、水素自動車に供給する水素ですが、残念ながら、安価で安定的な水素供給システム(製造、輸送・貯蔵)は確立できていないようです。これまでは水素の需要が大きくなかったので、水素の製造については、副生水素の活用や、各々の利用場所における化石燃料改質や水電解等で賄えていたそうです。現時点においては、これまで輸送の困難さから本格的に利用されてこなかった褐炭、再生可能エネルギーによって製造される電力等、これまで日本に輸入されてこなかったエネルギーを液体水素に転換し、エネルギーの貯蔵・輸送を行う方法が採用されているようです。しかし水素社会の将来展望においては、再生可能エネルギーによる高効率低コスト水素製造技術の開発が強く期待されます。

 

水素自動車は、トヨタの「MIRAI」のメーカー希望小売価格は700万円以上(税込み)で、国からの補助金が約200万円あっても、まだ500万円位はするので、水素ステーションが開設されたからといって、そうそう簡単に水素自動車が普及するとは思えません。水素自動車が普及しなければ、4億円近い水素ステーションの設備投資費用を回収できないし、ビジネスとして水素ステーションの運営を続けることもできません。

 ※ 政府は、電気自動車など次世代自動車向けの補助金として、2014年度300億円の予算を確保していたが、支給対象に燃料電池車を追加し、2015年度予算では引き続き、次世代自動車の補助金を数百億円程度盛り込み、2016年度までに合計で800台の適用を見込んでいるようです。

 そして東京都の場合、独自の補助事業を実施していて、国の半額にあたる101万円の補助金を交付し、購入者の負担額を420万6000円まで低減させるようです。これに、購入時のエコカー減税と毎年の自動車グリーン税制の減税分を加えると400万円を切る水準まで下がるので、そこまで後押し政策が進むと、水素自動車の普及が一気に進むかもしれません(参照、東京都環境局燃料電池車の購入に対する補助金。)

 

以上、国と東京都および大企業レベルでは水素ステーションの整備に力を注いでいるわけです。そこで、この動きを、ふるさとフォーラムとして、地域づくりの視点から捉え、以下のような提案の追加をしたいと考えます(敷地内に他の物質から水素を製造する装置を有するオンサイト方式ではなく、水素ステーションに他所から水素を運び入れるオフサイト方式を念頭に置いています)。

 

たとえば直方市として、電気自動車の購入に対して50万円を、水素自動車の購入に対しては、東京都のように、1台当たり100万円の補助金を出しましょう (原資は、地方創生計画をまとめあげた自治体に交付される予定の交付金を当てます。それで足らなければ、ふるさと納税による寄付金を。さらには、直方市議会議員の報酬月額(万円)は平成18 年12 月31日現在、413,000円ですが、これを全国平均並み(人口5万未満では32.31万円、5~10万未満では38.75万円)に減額して当てることなども検討すべきです。)。

 

さらに、直方市内で自動車を購入して登録する車は筑豊ナンバーを付けて走ることになりますが、田川市飯塚市などにも呼びかけて、福岡県に毎年の自動車税を減免してくれるように働きかけましょう(1年目100%、2年目以降10年間、毎年10%ずつ軽減率を少なくしていく傾斜軽減方式が適切でしょう)。かくして、これら施策が実を結ぶと、水素ステーションが開設され、水素自動車が購入されて経済の活況がもたらされるのはもちろんですが、筑豊ナンバー車はエコを先取りした環境に優しい車というイメージが広がり、やがて筑豊に住む人たちは筑豊に高いプライドを抱くことができるようになるでしょう。

 

かって、筑豊炭田として、殖産興業時代のエネルギーを支えてきた筑豊ですが、閉山以降、八幡製鉄所のある北九州市を含む地域全体に目立った産業がなく、経済的に停滞している印象は否定できません。筑豊と直方の場合は、それが文化や教育の質の低下にまで影響してきているように思われます。筑豊の地域全体が、隣接する北九州市における取組などとも連携し、水素という究極のエネルギー政策推進に関連する形で、経済の活性化と環境に優しい街づくりを同時に実現し、そうしたことがさらに文化や教育の質を高めることになると確信します。